自民党総裁選・立憲民主党代表選2024「緊急避妊薬スイッチOTC化に関するアンケート」を実施しました

この度、緊急避妊薬スイッチOTC化に関する政策について、自民党総裁選と立憲民主党代表選の候補者にアンケートを実施いたしましたので、結果を公表いたします。(9月20日17:00時点)

回答は 立憲民主党 枝野氏、吉田氏の2名のみ

自民党の9候補から、現時点で回答は得られていません。
立憲民主党の候補4人のうち、枝野幸男氏、吉田はるみ氏から回答が得られ、2候補からは回答が得られていません。

立憲民主党 枝野幸男氏

  • 『来年度以降、速やかにスイッチOTC化』すべきと回答。
  • 緊急避妊薬のスイッチOTC化の販売ルールに関して『女性の主体性と自己決定』を重視すべきと回答。

枝野氏は自身のホームページで公表している主要政策に、緊急避妊薬スイッチOTC化を掲げていました。

立憲民主党 吉田はるみ氏

  • 『来年度以降、速やかにスイッチOTC化』すべきと回答。
  • 緊急避妊薬のスイッチOTC化の販売ルールに関して『女性の主体性と自己決定』を重視すべきと回答。
  • 自由記載には『自分のからだは自分のもの、SRHRが尊重される当たり前の社会を実現するために、医学的根拠も明確にその有用性を証明している緊急避妊薬の薬局販売を、一日も早く解禁すべきです。』と回答。

アンケート概要

以下の2点について候補者に質問しました。

質問1 緊急避妊薬のスイッチOTC化について、考えに近いものを選んでください。

  • 来年度以降、速やかにスイッチOTC化
  • 来年度以降も議論の余地あり
  • 医師の処方が必要

質問2 緊急避妊薬に関して、国民・女性は主体的に選択・使用できることを望んでいます。一方、産婦人科医会は女性の保護を目的に管理型の運用ルールを提言し続けています。
緊急避妊薬のスイッチOTC化の販売ルールに関して、「女性の主体性と自己決定」と「女性を保護・管理」が対立した時、どちらを重視しますか。考えに近いものを選んでください。

  • 「女性の主体性と自己決定」を重視
  • 「女性の保護と管理」を重視

質問2の背景として、以下を別途提示しました。
2023年のパブリックコメントでは約4万6300件もの意見が寄せられ、その97%が市販化に賛成でした。
「(緊急避妊は)女性にとっての 権利、自己決定権、あるいは基本的人権に関わる問題である」、「自分たちが主体的にきちんと性をコントロールできるというのが女性の意思であることを理解してほしい」など、基本的人権として Sexual Reproductive Health and Rights(SRHR)が尊重される運用を望んでいます※1
具体的には、全国の薬局・ドラッグストアで薬剤師から購入できるようになること、薬を薬剤師の面前で服用しなくてよいこと、購入者の年齢制限をつけないことなどです※2。また、ストックとして購入し常備できるルール構築を望む声もあります。
一方で、産婦人科医会は「複数回の緊急避妊を行うことは専門家の指導によって避けさせるべき」と女性への指導を重要視し、「風俗産業や 犯罪組織から(女性を守るためには)緊急避妊薬の処方は一回につき一人 一セットに限定し、本人が内服した事実をその場で確認するべき」、「処方を要する患者と要しない患者を判別する必要がある」など、治療上または公衆衛生上の妥当な理由なく、女性の保護を目的とした管理型ルールの提言を続けています※3
引用・参考資料
※1 緊急避妊薬のスイッチOTC化について パブリックコメント案(厚労省)
※2 「緊急避妊薬のスイッチ OTC 化に係る検討会議での議論」に対して寄せられた御意見等について(厚労省)
※3 緊急避妊薬オンライン診療化についての意見書(日本産婦人科医会)

回収方法 Googleフォームにて回答を求めました。
送付方法 9月12日・18日・20日の計3回、各候補者が公開しているメールアドレスもしくはWEBフォームへ質問を送付しました。また各政党ホームページのフォームにも各候補者へ周知してほしい旨を同様に送付しました。

アンケート結果に対する見解

2023年11月より薬局における緊急避妊薬の試験販売が開始され、同事業結果として、およそ2か月間で2181件が販売され、購入した8割以上の人が今後も薬局での販売を希望していると報告されました。一方で、厚労省は「更なるデータ・情報の集積が必要」との理由で研究事業を継続し、スイッチOTC化の目途はたっていません。
このような状況を踏まえ、自民党総裁選および立憲民主党代表選の候補者に緊急避妊薬スイッチOTC化に関するアンケートの実施を決めました。

自民、立憲合わせて13人の候補者のうち11人が未回答であることについて、緊急避妊薬スイッチOTC化の課題に対する無関心または重要視していない、と我々は受け止めています。
緊急避妊薬スイッチOTC化の国民のニーズは、4万件を超えるパブリックコメントとして明らかになりました。また、「薬局医薬品の取扱いについて」を一部改正してまで研究事業を実施しており、異例のことです。
それにもかかわらず、女性のSRHRに関わる重要課題である緊急避妊薬について、各党党首候補者のほとんどが無関心・重要視していないのが現状なのです。
当団体は、公衆衛生に携わる者として、女性のSRHRの実現の一つである緊急避妊薬スイッチOTC化の課題に、これからも取り組んでいく所存です。