なぜわたしたちは衆院選候補者へのアンケートを実施したのか

当団体が衆院選候補者アンケートを実施した経緯について説明します。

2024年9月26日、「緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業」(以下、調査事業)について、全国で販売を行う薬局を増やすことが一般に公表されました。東京都、愛知県、沖縄県が準備不足を理由に26日には販売を一時休止しましたが、東京以外の2県は数日以内に再開しました。
東京都だけが休止したままの状況に、わたしたち団体メンバーは「何が起こっているのだろう」「どうなってしまうのだろう」と不安を募らせていました。

これについて、事業休止が発表された直後から東京都薬剤師会および日本薬剤師会に対して、事業休止の理由説明を求めている薬剤師がいました。その薬剤師さんは、事業の早期再開に向けて協力できることはないか、問いかけや提案も行ったようです。
当団体としては当初、薬剤師さん個人の働きかけに託し、信じて待とうと考えていました。

日本薬剤師会の調査事業のサイトには、休止している事実やその理由についての記載はありません。東京都の販売薬局リストが見れない状態になっている、ただそれだけです。東京都ではいつ再開するのか、数日ごとにサイトを確認するしかありませんでした。
この間にも、現場の薬剤師さんたちに休止の理由や再開の見通しについて尋ねてみますが、誰も分からないようでした。
働きかけを続けてくれていた薬剤師さんにも再度、薬剤師会に確認してほしいとお願いしましたが、返答がないとのことでした。

事業休止から1週間、2週間と経過するにつれて、わたしたちは「このままでは再開できないのではないか」と強い危機感を抱くようになりました。また、自身も1人の市民として、休止の経緯や今後の見通しについて説明してほしいという思いも強くなりました。

そして、わたしから当団体のメンバーに衆院選候補者へのアンケートという形で問題提起をすることを提案し、実施を決めました。

当団体は薬剤師のメンバーが中心です。そのためアンケート実施にあたって、自分の職能団体に委託されている現場薬剤師が主体の事業であるのに、それをあたかも外野から批判しているように見られるのではないか、それが無責任な姿勢に映るのではないか、さらにそれらによって仲間が批判されるのではないか、わたしは危惧していました。

そして事実、上記のような予想していた批判や、「そういうことをするから問題がややこしくなるんだ。余計に再開が遅くなる。再開できないのはあなたたちのせいだ」というような責任転嫁の言葉も耳に入っています。

しかし、当団体の薬剤師メンバーは「薬剤師として女性の、一般の人の立場に立って考えたことだから、責任を持ってアンケートをやり切ろう」と言ってくれました。患者や利用者の立場に立ってくれる頼もしい薬剤師たちだと、1人の市民としてとても心強く思いました。

今回のアンケートの結果、国民の代表として国会議員を目指す候補者からも緊急避妊薬研究事業の適切な運営と推進について多数賛同の声が得られました。

厚生労働省、委託先の日本薬剤師会、東京都薬剤師会には、休止の経緯と今後の事業再開の見通しについて説明を求めます。

一般社団法人SRHR pharmacy PROject 村上理奈

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